2023年3月22日
こんにちは、東京都中野区の行政書士で美容師の北原です。
東京都の情報公開制度について書いていきます。東京都は国の機関(省、庁などの霞が関に多くあるもの)などと比べると非常に先鋭的な情報公開制度を有しています。これは、情報公開制度が地方自治体が先行する形で進化してきたという背景があることにも理由があるかもしれません。情報公開制度の説明をしたページは
こちらです。
なお、先に手続きの紹介をします。その後に、東京都の情報公開制度に関して詳しくみていきます。一般の方にとって、制度に詳しくなることは求められていませんので、詳しい部分は読まなくともかまいません。ただ、現在の情報公開制度は公務員の方の力を借りることが非常に多い制度であり、かつ低廉な費用で行われています。したがって、以下のことには注意してほしいと個人的に思っています。
① 公開している情報がすでに、公開されていないか?を調べること。
② 東京都の文書は各局に分散しています。すべての局の文書を集中的に探すしくみはありません。そのため担当してくださる事務担当者は、局の多くの仕事を抱えています。労力を借りる以上、私たち国民側も業務に励む公務員の皆様に対して、丁寧に対応しなくてはなりません。
なお、当事務所では情報公開請求書の作成サポートサービスをおこなっております。はじめて制度を使う方などには、制度の説明をメールでもおこなっておりますのでよろしくお願いします。
東京都の情報公開制度の流れ
東京都の情報公開制度の利用の方法には、いくつかのルートがあると考えていいでしょう。ここでは、都のホームページを補足する形で説明します。
欲しい情報が公開されていないか調べる
自分の欲しい情報が、どの局にあるのかを特定しましょう。局が分らない場合には、以下の各局の情報公開をあさりながら局の仕事をつかんでいく必要があります。
東京都情報公開ポータルと検索して→ページ下の方の各局の事業概要から局の働きを検索することも有意義であると考えます。
次に、欲しい情報がすでに公開されていないか調べます。目を通すところを以下に書き留めておきました。検索してみてください。
① 情報公開ポータル→各局の情報公開ポータルサイト一覧→主務局にアクセスして公開情報を調べる。
② 東京都公文書情報公開システムにアクセス→公開公文書の取得をクリック→欲しい文書が公開されていないか調べましょう。
なお、都民情報ルームに公開されている公文書がたくさんあり、閲覧することができます。
基本となる請求の流れ
まったく何もかもの知識がない場合には以下のルートをたどることで請求までたどり着くことができます。
① 都民情報ルームに相談
② 保有している部署に相談
③ 開示請求書の提出(郵送、電子申請) ※
④ 東京都の開示決定(原則14日以内)
⑤ 郵送先に決定書が来る
⑥ 決定書に同封されている、案内にしたがって情報をどのように交付してもらうかを決める(閲覧、コピー、CDR)
⑦ 手数料の納付と郵送による返信
※ 閲覧のときに、デジタルカメラによる文書の撮影を希望する場合には、請求書にその旨をきさいすること。
都民情報ルームの情報公開コーナーに相談する。
事前に相談窓口に相談することは義務ではありません。
情報公開制度に明るい人や、普段から制度を使っている人は部署に直接相談してもいいでしょう。
都民情報ルームには情報公開相談をする窓口があります。これは、東京都の情報公開条例に基づく情報公開の総合的な窓口です。
私が行ったときは都民情報ルームの一画に電話がおいてあり、内線で情報公開制度に関する総合的な質問に対応していただきました。ただし、次の点に注意が必要です。
- どの部署のどのファイルの中にどんな文書があるかどうか?は各局に相談する必要があるので、総合窓口では答えられない。東京都では文書の管理はいわゆる、分散管理方式をとっています。したがって、全ての情報を一元的に把握している機関はないので各局に相談する必要があるのであると、私は考えています。
- 公文書の管理に関する質問などは答えられない。あくまでも、情報公開制度の総合的な案内を受けることができる。
- 申請書の書き方や、今後の手続の流れなどを指導してもらえる。
(注意点)窓口における都民のみなさまのマナーの悪さが問題となってしまっております。適切な窓口に適切な相談をおこなってください。問題となっている行為が記されている意見公募へのリンク。
部署に相談する。
部署に相談することも義務ではありません。文書を特定するに足りる請求理由がわかる人は、いきなり請求書の作成をおこなってもかまいません。ただ、抽象的に過ぎる請求理由は、大量の文書の開示となりますので東京都の事務の負担が重いこと、また紙に謄写する場合にはコピー代が馬鹿になりません。できるだけ、特定して請求する必要があります。
文書を管理している部署が特定出来たら、文書の特定のために担当の部署に相談します。私は、昼12時から13時は連絡しないようにしています。(お昼休みでやっていないこともある。)
探している文書を伝えると、いろいろと調べて折り返し連絡する運びになると考えられます。前述のとおり公務員の方は他にも仕事を抱えているので、あちらのペースに合わせることが必要です。
相談の場合に注意しなくてはならないことは、自分の請求する文書の範囲が必要以上に減縮しないように気を付けることです。例えば、以下のようなことが考えられます。
乙
「先日、東京都が○○を決定したと令和5年2月24日に東京都のホームページで広報されました。その決定に至るまでの一連の過程がわかる文書を取得したいのですが。」
職
「はい、かしこまりました。○○の決定書があります。それでいいでしょうか?」
みたいなことが、おこる可能性は無ではありません。ここでは、乙はどのように都の決定がなされたのかという「過程」が知りたいのですが、職員は「決定書の存在」であると勘違いしてしまうようなケースです。過程と決定では、請求の対象範囲がことなります。
なお、請求範囲が広すぎると文書の量が膨大になってしまう恐れがあるので、その点も相談しておくといいと思います。
開示請求書を作成します
開示請求書の書式は東京都からダウンロードすることができます。PCがなくとも、スマホにダウンロードしておいてコンビニでプリントアウトすることができます。
請求書の記載で注意することは、文書の特定です。
また、閲覧しながらデジカメなどで撮影したい場合には、その旨を開示請求書中の閲覧の横に記載することが必要となります。
都HP
なお、電子申請の場合には閲覧の横に記載することはできません。この場合には、開示請求に係る公文書の件名又は記載内容の欄に、閲覧中にデジカメで撮影すると記載することで良いとのことです(情報ルーム電話相談)。
開示請求書は、窓口、電子申請、郵送、FAXによる提出が可能です。
決定まで
原則として、都が請求書を受け付けた日の翌日から起算して14日以内に開示決定を行うことになっています。やむを得ない理由があるときは、60日を超えない範囲で延長する場合があり、その場合は通知がなされます。
請求書を提出した後に、都から必要に応じて連絡が来る場合があります。
決定後と手数料の納付
決定後はその旨連絡が来る場合があります。
その後、決定書と開示申込書が郵送されてきます。その中に手続の案内も同封されています。
手数料納付を行う場合には以下の方法で行うことになります。
ア 現金書留
イ 郵便為替
ウ 納入通知書
費用はコピー1枚10円(カラー20円)
CDRなどは、1枚100円です。くわしくはこちらをご覧ください
都HP。
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情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。
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