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(情報公開やってみた)環境省役人用語集

環境省に対して、役人用語集の公開請求を行いました。その記事です。

役人文化

 お役所にはさまざまな伝統や文化があります。それは各省庁によっても違いがあります。伝統や文化は役所の仕事に対するノウハウと密接不可分に結びついていると考えることも可能です。
 また、そのような伝統や文化を「官僚制」と表現することもあります。しかし、「官僚制」という言葉がどのような意味合いで使われるのかも明確ではないので注意が必要です(西尾勝『行政学〔16版〕』有斐閣、2008年、161頁以下、参照。
 今回はそんな役人文化が色濃く表れているであろう、現場での用語集を公開請求してみました。

手続きの流れ

情報公開に関する手続きに関しては他の省庁に対するものと同じ流れになります。行政機関等に対する情報公開 流れ

1,行政文書開示請求書の作成
請求書は環境省のHPよりダウンロードすることができます。

2、開示決定を受ける。

3,公開の方法の申出

請求文言

行政文書開示請求書の作成にあたり重要なのが「請求する行政文書の名称等」の部分です。文書の特定に必要な記載が求められます。情報公開請求のコツ?文書の特定に関して

今回は行政文書ファイル管理簿を使用しました。
請求の文言
「別紙記載の行政ファイル管理簿のなかの役人用語集又はそれに類似する役人用語を説明する文書。なお、役人用語集の意味については同封の資料を参照してください。」
※ 別紙記載の行政ファイル管理簿は研修関係のもの2つに1件づつ作成合計2枚です。(用語なので研修で使用されると考えた。)
また、開示の実施の方法等の記載は任意なのですが、役人用語集が大量の文書枚数ではないと考えたので紙の写しの郵送を希望することにしました。一つの局部につき一件と考えて300円の収入印紙を貼付けて提出しました(合計2枚で600円)。件数について

補正に関して

 後日、担当者から電話で補正の相談を受けました。内容としては、役人用語集は存在するものの対象の行政ファイル管理簿とは別に存在するとのことでした。なお、役人用語集は行政ファイル管理簿で管理しなくても良い文書とされているとのことです。(情報公開)行政文書ファイル管理簿に無い文書(軽微事案等)に関する考察
 開示請求書の補正に関しては、補正書が郵送されてくることも多いのですが、今回は電話での意思確認で補正がなされました。後日、電話での意思確認をおこなった旨の書面が郵送されてきました。
 今回の補正は情報公開法22条に基づく積極的な情報提供であると解されます。情報公開法では開示請求をしようとする者の求めの有無を問わないで情報を提供することを機関に求めています(高橋滋、他『条解 行政情報関連三法』弘文堂平成23年、452頁以下参照)。国民としては行政ファイル管理簿に無い文書に関する情報を探し出すことは大変難しいので筆者は大変助かりました。
 なお、アメリカでは開示請求者が商業利用の場合の職員による文書の検索に関しても費用がかかるそうです(松井茂記『情報公開法』有斐閣、2001年、174頁参照。

開示された文書

環境省役人用語集

全文(33頁)をご希望の方は当事務所に問い合わせてください。

感想

・普段組織内の事を創造しながら開示に臨むが、現場で使われている言葉を知ることにより想像が膨らむ。
・基本的な用語の説明「閣議」などもあり基本の見直しになる。
・「ガラガラポン」など、職員が政策等に苦悩しながらも事務を進める様子があり仕事の運び方の参考になる。
・省庁としての駆引きに使用される語句もあり交渉の際の参考になる。

解説

・「機密性」
各省庁の情報セキュリティポリシーにおける情報の格付け(機密性、完全性、可用性がある。行政文書の管理に関するガイドライン28頁
機密性に関して
政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準(令和5年度版)3頁リンクPDF

・秘密文書については、規則及び各行政機関の秘密文書管理要領にのっとり管理するとともに「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」の適用対象となる秘密文書については同基準に規定された「機密性3情報」記録された行政文書に該当することに留意して、各府省庁の情報セキュリティーポリシーにのっとり適正な管理を併せて行うものとする。

・秘密文書については、各省庁の文書管理規則に記載がある他、秘密文書管理要領が定められている場合がある。秘密文書管理要領の作成等に関しては行政文書の管理に関するガイドライン平成29年12月一部改正のもの52頁以下

「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」リンクPDF(内閣サイバーセキュリティ―センター)

・特に厳格な管理を要する行政文書の取扱い等に関する(内閣府PDFリンク

当事務所の紹介

東京都中野区にある行政書士事務所である当事務所は情報公開に関する事務をおこなっています。

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北原 伸介

情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。 taroimo1030@gmail.com (電話)080ー7172ー8669 (FAX)03-6850ー8573 お問合せは無料です。文書に関するものでしたらあらかじめFAXいただくとスムーズです。