東京都練馬区情報公開制度
このページでは、東京都練馬区の情報公開制度に関して書いています。なお、時の経過により、記載内容に誤りが出る可能性があります。実際に練馬区に対して情報公開するときには、区のHPなどを参照しながら行ってください。
東京都中野区行政書士事務所である北原伸介行政書士事務所で情報公開に関する相談、代理、代行、連名による取得などをおこなっています。
練馬区情報公開条例の特徴
・目的規定に「知る権利」が明記されています。
知る権利に関しては、権利として早熟で概念が不明確であることから明記することに慎重な議論が多いです、練馬区では東京都と同じように知る権利を明記しています。情報の公開に前向きであることが伺われます。
・公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報を利用して他の者の権利を侵害することのないよう適正に使用しなければならない(条例4条)。
他の自治体でこれと似たような定めに「この条例の趣旨に沿って使用しなければならない。」という定めがあります(西東京市など、新宿など)。練馬区では、他の者の権利を侵害しないように情報を使用することとして明確に定められます。
・情報公開の総合的な推進に関して努力義務が用意されています(条例21条)。
・複数回公開請求を受けているものであるときで区民の利便、区政の効率化資する情報は公開するよう努めるとされています(条例22条)。
・文書の検索に資する資料を作成し一般の閲覧に供することとなっています。
その内容は、「実施機関の文書目録」「文書保存年限表」「電磁的記録関係」
となっています。
コメント
・条例全体としては、情報公開に前向きな条例となっています。特に、指定管理者や出資法人に対しても、情報公開制度に必要な制度を取るよう努力しなくてはならない、という努力義務を課しており評価できます。
・公文書の公開を受けたものは、これによって得た情報を利用して他の者の権利を侵害することのないよう適正に使用しなければならない(条例4条)。
目的を規定することが良いことであると考えません。また、他の者の権利を侵害することの内容の文書を公開しないようにすることは区の義務なので、この規定の意味はどのような意味があるのでしょうか?
この規定は「使用しなければならない」と書かれています。すなわち、国民の義務です。したがって、この規定を理由として侵害された者が被侵害者を訴求することができるかどうか問題となります。
そもそも、区により公表された文書が他人の権利を侵害するのかが問題となります。なぜなら、情報公開で公開されえる文書は「誰にでも公開」することを前提に公表されているからです。
手続き
・請求書の様式が決まっています。
・受付から決定までの期間は、初日不算入で15日以内とされています。
・開示請求手数料は無料、謄写などは負担することになります。
・公文書目録を検索・閲覧するサイトがあります。
・情報公開手引きも公開しております。練馬区HPリンク
コメント
・自治体が公文書目録をインターネット上から閲覧できるのはかなりすごいことだと思います。例えば、中野区で情報公開に必要な資料を見たいのであれば区役所まで行かなくてはなりません。
・例規、要綱などが他の自治体に比べて細かく定められています。それらの情報は公開されていて、国民にも情報が流れるようになっております。
・他の自治体に比べて、総合的に制度は推進されているように感じます。
・ホームページ分かりやすい。
・令和3年度情報公開件数1651件と制度が推進されている様子です。なお、中野区は700足らずです(泣)。人口の差を考慮すると妥当なような気もしますが、これらは上記のような努力による部分も大きいでしょう。国民が区政に興味を持っている証拠です。
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北原 伸介
情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。
taroimo1030@gmail.com
(電話)080ー7172ー8669 (FAX)03-6850ー8573
お問合せは無料です。文書に関するものでしたらあらかじめFAXいただくとスムーズです。
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