判例等リンク集
記載されている判例は、筆者が書き替えている場合があります。引用等をお考えの場合には、必ず原文にあたっていただくようお願いします。
判例
最判
最判平成18年4月20日
公社と土地の所有者等の間の売買価格等に関して、一般人でも土地評価格を勘案することにより推測が可能であること。
・そのような価格には当事者間の自由な意思が反映することは、少ないことを理由として。個人識別情報該当性を否定した。同時に土地の所有者が国等である場合においての事務事業情報該当性を否定した。https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/920/032920_hanrei.pdf
公社と土地の所有者等の間の売買価格等に関して、一般人でも土地評価格を勘案することにより推測が可能であること。
・そのような価格には当事者間の自由な意思が反映することは、少ないことを理由として。個人識別情報該当性を否定した。同時に土地の所有者が国等である場合においての事務事業情報該当性を否定した。https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/920/032920_hanrei.pdf
・内閣官房報償費に関するもの
平成30年1月19日 最高裁判所第二小法廷 判決 その他 大阪高等裁判所
・文書の保有に対する立証責任について
平成26年7月14日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
・令和4年5月17日 最高裁判所第三小法廷 令和2(行ヒ)340 行政文書不開示処分取消請求事件
預託法違反に係る調査結果に関する情報については、それが客観的な事実に関するものであったとしても、当該情報を公にすることにより、、、、、、おそれがあると言える場合があり得るとして原審を差し戻した。また、独立一体的に非開示と原審により判断された情報が「ことなる情報が含まれているとして」是認できないとした。客観的意見に係る情報に関して宇賀先生が補足を述べている。
高判
・令和1(行コ)247 行政文書不開示決定処分取消請求控訴事件
令和2年2月5日 東京高等裁判所
令和2年2月5日 東京高等裁判所
宗教法人法25条2項の書類が存否応答拒否された事案である。
・存否に関する情報は、書類提出制度に基づく提出義務の履行状況を把握できることにとどまること
・宗教法人法など個別の法律において公開が予定されているかどうかをもって情報公開法に基づく公開の可否が決せられるというものではなく、情報公開法に規定する不開示情報に当たるかどうかという観点から開示の可否が決せられるべきである。
・本件対象文書を提出しない宗教法人は不活動宗教法人である可能性が否定できないと主張するが、かかる可能性があるとしても、当該書類を提出しない理由にはさまざまなものがあるのであるから、、、、、おそれは抽象的なものにとどまる言わざるを得ない。
東京高裁令和元年8月21日平成30(行コ)355
・15年前のイラク戦争検証結果報告書の不開示決定を争うも棄却。外交文書事案における、主張と裁判所の認定が参考になる。
・外交における不開示決定は裁量判断であるところ、処分庁は「マクリーン事件を引用して論述した。このことに対して、裁判所は情報公開と出入国管理及び難民認定法21条の、認定できる事実の異なりを指摘して、引用を採用することは困難であると指摘する。
なお、本件における内容の概要を2012年に外務所が公表しているとのこと。
平成30(行コ)336 各行政文書不開示処分取消請求控訴事件
令和元年10月2日 東京高等裁判所
令和元年10月2日 東京高等裁判所
預託法違反に基づく消費者庁等関係者による調査報告等の文書に対する開示請求によるもの、なお当該事業者は判決児時には経営破綻してを理存在しない現状となっている。そのことにつき31。
・新聞記者の取材が営業に関するノウハウに該当するかどうか判断されている。
平成30(行コ)276 法人文書開示決定の不開示処分取消請求控訴事件、令和2年6月30日 東京高等裁判所
日本年金機構と業務委託契約を締結している障害認定医氏名、及び勤務先部分の開示が争われた例。
平成30(行コ)336 各行政文書不開示処分取消請求控訴事件
令和元年10月2日 東京高等裁判所
令和元年10月2日 東京高等裁判所
控訴人は,学会関係者に関しては同時に法5条2号(法人等情報)も問題となるところ,同号ロは法人等から任意に提供された情報につき,「行政機関の要請を受けて,公にしないとの条件で任意に提供された」ことに加え「当該条件を付することが当該情報の性質,当時の状況等に照らして合理的である」ことを不開示情報の要件としていることに照らせば,法5条6号(事務事業情報)が問題となる場合に同条2号ロよりも緩やかな要件で不開示とされてしまうことは法の趣旨に反するから,非公表の約束の下に任意に提供された情報は,法5条2号ロの要件を満たさない限り,同条6号には該当しないと解すべきであると主張する。しかしながら,法は,行政文書について開示を原則としつつも,私人の権利利益や公益を保護するために,各種の不開示情報をそれぞれの観点から規定11 した上で,それら不開示情報が記録されている場合は開示を禁止する仕組み(法7条はこのような禁止の例外を規定しているものである。)を採用しているから,特定の行政文書を開示するには,その要件として法5条各号が規定する各種不開示情報がいずれも記録されていないことが必要である。法5条2号ロ(法人等情報における任意提供情報)と6号(事務事業情報)とは全く観点を異にする不開示情報であるから,2号ロに該当しない限り6号には該当しないと解することはできない。控訴人の主張は,失当であり,採用できない。
・「その過程において,裁判所からの和解勧告に対して国の関係機関がいかなる検討をしていたのか,医薬食品局の職員は学会関係者等とどのような接触をしていたのか,接触した学会関係者等は和解勧告に関してどのような意見を有していたのかなどの点に関する具体的な事実関係に係る情報を含むものであることは上記(イ)のとおりであるところ,これら情報は,いずれも訴訟に係る内部的な対処方針や訴訟活動の準備等に関する情報であり,争訟事務情報である
・弁護人の主張
本件担当職員の氏名及び役職は公刊物又はホームペ18 ージにおいて公表されているし,本件担当職員の押印のように公文書に押捺された印影は情報としては氏名と異ならないから,これら情報は,法5条1号ただし書イ(公領域情報)に該当するとし,これら情報が,本件聴取記録に記録されている情報のうち⑦(回答内容)の情報と一体となって,本件事情聴取の対象となったという属性を帯びているなどとして,法5条1号ただし書イ(公領域情報)に該当しないと解釈することはできない。
裁判所の判断
本件聴取記録は,a訴訟問題についての検証チームによる本件事情聴取の結果を記録した行政文書として開示請求されているのであり,本件聴取記録に記録されている情報のうち,被聴取者や本件担当職員の氏名及び役職は,そのような属性を必然的に伴う情報として本件において問題とされているのであって,これら情報が法5条1号ただし書イ(公領域情報)に該当して不開示情報から除かれることとなるか否かの判断に当たっては,上記属性を伴う情報として判断すべきであって,このような属性をあえて等閑視した上で公領域情報といえるか否かを判断すべきではないと解するのが相当である。
平成26年7月25日 東京高等裁判所 情報公開
昭和40年「日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約」締結に至るまでに実施された、日韓国交正常化交渉に係る行政文書の開示請求に関する情報公開の事案。
・1審原告は、40年以上の時の経過による開示相当を主張しているものもある。←裁判所「文化財としての価値の高低は時の経過や時代の推移によって大きく変化するものでない。
・大量の外交文書に対する、開示不開示の判断がなされている。なかには、宮内庁書陵部で保管されている希少本に係る判断もある。
・一般に、利害をお共有する国家間の外交交渉の過程で行われた内容は、それが当初から公表を予定して行われる場合でない限り基本的には不開示として取扱うのが国際慣行である。
・裁量の判断基準に関しては、マクリーン事件を引用せず最判昭和44年7月11日判決を引用している。すなわち「行政機関の長は,情報公開法5条3号,4号所定の不開示情報にあたると判断して不開示処分をした場合において,当該不開示処分の取消訴訟が提起されたときは,当該判断の公正妥当を担保するに足りる,可能な限り具体的な事実関係に基づく合理的な根拠を示すことを要するものと解するのが相当である。」とのこと
・1審原告の主張「他の開示された文書からの情報で、ある程度憶測が可能で、、、。」←裁判所「上記係争情報が他の開示情報等から具体的に推測可能であると足りる証拠はないし、、、。74頁
・外交交渉の過程における率直な意見交換や情報交換は、基本的に非公開とするという国際慣行があること、特に、対面交渉の場での発言は、相手方の真意を探り、交渉を身のあるものとするために、公式見解より踏み込んだ考え方を示すこともあることからすれば、上記各係争情報が対面交渉の場での発言として韓国側に伝えられたものであるとしても、これを我が国の公文書の公開として公にする場合とは著しく意味が異なるものとなると考えられる(130あたり)。←私のコメント、韓国側に伝えたものを公表することで信頼関係が崩れると理解すればよいのか?
・天皇と外国要人の謁見について
「、、事後にその謁見の雰囲気について公表されることはあるとしても、天皇と外国要人との自由かつ親密な歓談を通じて諸外国との友好親善関係の増進に資する事を目的として行われるものであるから、その目的に沿うように、会話内容の詳細は従前から非公表とする取扱いがされ、その取扱いは外国要人に対しても要請されており、、、。」173頁
・弁護として、30年ルールを主張するものの、「このような取扱いが国際的週間であると認めるに足りる証拠はなく、、、」として認めなかった。
・知る権利につき「憲法21条1項の派生原理として導かれるものであり、知ることを妨げられない自由権として尊重されるべきものであるが、そのほかに、積極的に行政機関に対して情報の開示を求める請求権を行使するには、その根拠となる法令の規定が必要である。したがって、法令の文言および趣旨に照らして不開示該当性を判断すべきで具体的利益衡量により同条額号所定の不開示該当性の判断を行うべきことを定めているものと解することはできない。むしろ、同法7条は、行政機関の長は、法定不開示情報に該当する情報についても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し当該行政文書を開示することができると規定しており、公益上の理由による裁量的開示を明示的に定めているのであって、利益衡量を行う場面、主体及び要件をあきらかにしているところである。」と判示している。329頁
竹島問題に関する研究サイト内閣官房リンク
関連として、情報公開・個人情報保護審査会答申平成14年9月20日(天皇とマッカーサーとの会談)
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北原 伸介
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