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住民登録、住民票(中野区)

2023年1月12日

 こんにちは、東京都中野区の行政書士北原です。住民台帳法による事務について書いていきたいと思います。当事務所では、可能なものについては中野区とその周辺の自治体に関して、住民課への届出の代行業務をおこなっています。

住民登録

 地方自治体による行政サービスは住民登録情報を利用しておこなわれます。住民は、常に、住民としての地位の変更に関する届出を正確に行うように努めなければならず、虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならないとされています(住民基本台帳法3条3項)。
 健康保険や給付金なども、住民基本台帳を基にして事務手続きを行うことが多く住民登録をうけることは、住民にとって必需であるということが言えます。
 
 総務省ホームぺージでは次のように説明されています。住民基本台帳は、氏名、生年月日、性別、住所などが記録された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるものです。住民基本台帳の閲覧や住民票の写しの交付などにより、住民の方々の居住関係を公証するとともに以下に掲げる事務処理のために利用されています。
・選挙人名簿への登録
・国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、国民年金の被保険者の資格の確認
・児童手当の受給確認
・学齢簿の作成
・生活保護及び予防接種に関する事務
・印鑑登録に関する事務
 
住民の方々の居住関係を公証するというところが大切です。身分関係は戸籍に記載されています。
住民登録が行われると住民票コードが付けられます。住民票コードを変化させたものがマイナンバーとなりますので、住民登録がなされていないとマイナンバーカードを取得することができません。
 

住民登録の方法

世帯について

お役所の事務では「世帯」という単語がよくでてきます。給付金なども世帯を単位として給付されることが多いと思います。それでは世帯とはどのような意義があるのでしょうか。
 
要領によると、世帯とは居住と生計をともにする社会生活上の単位である。と説明されています。単身世帯にあっては、当該単身者が世帯主となります。
 
世帯は、家族と一致するわけではありません。居住と生計をともにする単位であるからです。そして、「世帯主」とは主として世帯の生計を維持するものであって、その世帯を代表するものとして社会通念上妥当と認められる者と説明されています。

世帯主との続柄(つづきがら)

家族でない続柄の記載が問題となりますが、例としては、縁故者、同居人、妻の子、妻(未届)等と記載する取扱いとなっているようです。また、世帯主の嫡出子、養子及び特別養子についての続柄は「子」と記載します。

転入届

他の区市町村から中野区に引越しをしたときは転入届が必要です。新しい住所に住み始めてから14日以内に届け出る必要があります。役所はこの期間を経過した届出も受理しなくてならないとされています。要領76頁ではこのとき、区長は簡易裁判所にその旨を通知することとされています。
 
届出人
・本人または世帯主または同一世帯の方
・代理人による届出の場合には、委任状と代理人の本人確認書類が必要となります。
 
必要なものは
・前住所地が発行して転出証明書(マイナンバーカードを利用した特例による場合には転出証明書を省略することができます。)
・本人確認書類
 

マイナンバーカードを利用した特例について

中野区に転入する前に住んでいた市区町村で、マイナンバーカードを利用する転出届を行っている場合の特例です。このとき、転入届に転出証明書を添付することが省略できるというメリットがあります。すなわち、マイナンバーカードを利用する転出届を、郵送や電子申請で行っておけば転出地の役所に行くことを省略することができるというメリットがあります。
 マイナンバーカードを利用した転入届は、中野区の住所に住み始めた日から14日以内でかつ、転出予定日から30日以内に届出する必要があります。
 

住所

住民登録をしている住居関係を証明するもの。民法でいう「住所」と必ずしも一致しないことに注意が必要。行政サービスの対象となる「住所」の規定は原則として住民票記載の住所が基準となります。

「住所不定」とは転居等の際に住所変更がなされず市区町村によつ実態調査等を経て「生活の本拠」ではないことが明らかになった場合などで住民票が消除された場合をいうとされます。
 
「住所不明」とは住民の実際に生活している場所が把握できない状態のことをいいます。例としては、高齢者実態調査等おの際に実際に生活している場所を特定できない場合などをいいます。

東京都市町村戸籍住民基本台帳事務協議会、住民基本台帳事務手引書作成委員会『初任者のための住民基本台帳事務8』平成30年参照

公官庁に対して、住民票での生活の本拠を証明できない場合には、公共料金の領収書の写しなどで証明する場合があります。また、居住関係に質疑がある場合には自治体による実態調査もあります。

 

住民票の記載事項

住民票の記載事項は自由民基本台帳法7条に掲げられています。

実社会において住民票の提出を求められる場合に、事業者が個人番号を利用することができるときは個人番号法により制限されているために、原則として個人番号(マイナンバー)抜きの住民票の写しを求められます。

(住民票の記載事項)
第七条 住民票には、次に掲げる事項について記載(前条第三項の規定により磁気ディスクをもつて調製する住民票にあつては、記録。以下同じ。)をする。
一 氏名
二 出生の年月日
三 男女の別
四 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
五 戸籍の表示。ただし、本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その旨
六 住民となつた年月日
七 住所及び一の市町村の区域内において新たに住所を変更した者については、その住所を定めた年月日
八 新たに市町村の区域内に住所を定めた者については、その住所を定めた旨の届出の年月日(職権で住民票の記載をした者については、その年月日)及び従前の住所
八の二 個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)第二条第五項に規定する個人番号をいう。以下同じ。)
九 選挙人名簿に登録された者については、その旨
十 国民健康保険の被保険者(国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第五条及び第六条の規定による国民健康保険の被保険者をいう。第二十八条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十の二 後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十条及び第五十一条の規定による後期高齢者医療の被保険者をいう。第二十八条の二及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十の三 介護保険の被保険者(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第九条の規定による介護保険の被保険者(同条第二号に規定する第二号被保険者を除く。)をいう。第二十八条の三及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一 国民年金の被保険者(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第七条その他政令で定める法令の規定による国民年金の被保険者(同条第一項第二号に規定する第二号被保険者及び同項第三号に規定する第三号被保険者を除く。)をいう。第二十九条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一の二 児童手当の支給を受けている者(児童手当法(昭和四十六年法律第七十三号)第七条の規定により認定を受けた受給資格者(同条第二項に規定する施設等受給資格者にあつては、同項第二号に掲げる里親に限る。)をいう。第二十九条の二及び第三十一条第三項において同じ。)については、その受給資格に関する事項で政令で定めるもの
十二 米穀の配給を受ける者(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成六年法律第百十三号)第四十条第一項の規定に基づく政令の規定により米穀の配給が実施される場合におけるその配給に基づき米穀の配給を受ける者で政令で定めるものをいう。第三十条及び第三十一条第三項において同じ。)については、その米穀の配給に関する事項で政令で定めるもの
十三 住民票コード(番号、記号その他の符号であつて総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)
十四 前各号に掲げる事項のほか、政令で定める事項
黄色のマーカーは筆者がつけました。
市区町村長が住民票の写しの交付をするとき、この黄色のマーカーの部分は、特別の請求がなければ省略されたものを交付することができるとされています(住基法12条5項)ひるがえると、特別の請求を行えば記載されたものが原則として交付されます。

 基礎証明事項は、氏名、生年月日、性別、住民となった日、前住所が記載されます。

 住民票の写しについては、性別の省略ができません。これに対して印鑑証明では性的少数者LGBTに配慮して性別を省略したものを請求することが自治体においては可能となっております。

 

住民票の取得方法

・窓口申請

・コンビニ申請

・郵送申請

・電子申請

 

代理人による取得

代理人による取得の方法は2つの場面にわかれる。

区分の着眼点は同一世帯であるかどうか?です。

そのため同居されている家族でも、それぞれ世帯主が別で住民票に一緒に載っていない人が取得する場合には委任状が必要となる。

①ご本人またはご本人と同一世帯の人が申請する場合

この場合に→本人確認書類を持参して取得する。

②同一世帯ではない人が申請する場合→この場合は、本人が署名または押印した委任状が必要となる。

 

 

個人番号、住民票コードを記載した住民票は代理人に交付されない。

原則として、マイナンバー(個人番号カード)、住民票コードを記載した住民票は代理人に直接交付することは適切ではないとされています。住民票コードやマイナンバーは高度に保護することが求められているからです。そのため、本人の住所地あてに簡易書留で直接交付される方法をとることが適切であるとされています。

例外として「15歳未満の子の法定代理人・成年後見人・保佐人または補助人からの請求で登記事項証明書の代理行為目録によりマイナンバー(個人番号)を記載した住民票の受領について代理権を有していると認められる場合」には法定代理人への交付が可能として自治事務がおこなわれるようです。

 

代理での委任状には「マイナンバー(個人番号)記載した住民票であること」や「住民票コードを記載した住民票であること」を明記することが必要となります。

 

第三者が住民票の写しを取得できる場合がある。

以外に知られていないのですが、第三者が個人の住民票を写しの交付(原則基礎証明事項)を申請することができる場合があります。

・自己の権利を行使し、または自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある場合。

・国または地方公共団体の期間に提出する必要がある場合。

・その他、これらに準ずる住民票の記載事項を利用する正当な理由がある場合。

住民基本台帳法第12条の3にに基づく請求です。同法4項5号では、申出にあたり対象者の氏名及び住所の記載を求めています。したがって、対象者の住所を知っている必要があります。

手続きのその他の細則は、法第12条の3第4項6号で省令で定めるとしている。それを受けて省令第10条は

第十条 法第十二条の三第一項又は第二項の規定による住民票の写し等の交付の申出は、同条第四項各号及び次項に掲げる事項を明らかにするため市町村長が適当と認める書類を提出してしなければならない。この場合において、市町村長が必要と認めるときは、同条第四項第四号の事項を証する書類の提示又は提出を求めるものとする。

と書かれています。「市町村長が適当と認める書類」とはかなり抽象的な規定のされかたである。ということは、各自治体で差が出ることが予想されます。電話で確認することが必要であると感じます。

 

ちなみに、住民基本台帳法46条では偽りその他不正な手段により交付を受けたときには30万円以下の過料に処されると規定されている。また、その他の刑法にも罰則があるのは周知の事実である。不正は行ってはなりません。

 

配偶者暴力及びストーカー行為等の被害者は、住民票等及び戸籍の附票の写しの交付に制限をかけることができる。

中野区では以下の支援対象者は、住民票の閲覧に制限をかけることができます。以下、中野区配偶者暴力及びストーカー行為等の被害の支援に関する住民基本台帳事務取扱要領第2条1項各号

(1) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者又は同法第28条の2に規定する関係にある相手からの暴力を受けた者であり、かつ、更なる暴力によりその生命又は身体に危害を受けるおそれがあるもの

(2) ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第6条に規定するストーカー行為等の被害者であり、かつ、更に反復してつきまとい等をされるおそれがあるもの

(3) 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待を受けた者であり、かつ、再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの

(4) 前3号に掲げる者のほか、これらに準ずる行為の被害者であって、支援を受けることが適当であると区長が認めるもの

支援対象者が支援を受けようとする場合は「支援措置申出書」によってその旨を区長に申し出ることによって行います。なお、代理人による提出が可能です。
 
申出を受けた区長は、対応を検討するために、児童相談所、警察、配偶者暴力相談支援センター等に意見を聴いたり、関係書類の写しの提出をしてもらったりします。(条例4条)
 

申請の方法

住民票のある市区町村に「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出すること等により、DV等支援措置を求める旨の申出をおこないます。
 
申請書は区に各様式があると思います。ちなみに、総務省では申請書の標準的な様式を参考として掲載しています。総務省ホームページ
この、申請書をみると警察や保護実施機関機関、裁判所などによる書面の添付がない場合には、相談機関の意見を付与する取扱いとなっています。この様な取り扱いがなされているということは、被害にあった場合には相談を受けてからの申請になることが前提とされているということに注意が必要です
 
なお、配偶者等からの暴力でお相談先などは区役所のこちらのページ
 

ホームレス等に対する住所認定

行政サービスはおおくのものが、住民票記載の住所、世帯に関して行われます。しかし、近年では各々の生活の仕方も多様になりました。ネットカフェで生活する人やホテルで生活する人も多いことは報道などにより知られているところです。
 そうすると、住所不定の方や住所不明の方が行政サービスをうけることができなくなる状況も予想されます。
 このような状況に鑑みたのか、総務省ではホームレス等に対する住所認定に関する書類を都道府県に出して、取扱に関する一定の助言を都道府県に対しておこないました。ホームレス等に対する住所認定の取扱いについて
以下のようなことが記載されています。
1,ホームレス等の中には、本人確認書類を所持していない場合であっても、役所のノウハウを利用して本人確認を行うなどして、住民登録の相談には積極的に対応してもらいたいということ。
2,緊急的な一時宿泊場所であっても、管理者の同意があり区長が住所登録認定をすることが適当であると判断したときは、住民票を作成すること。(ネカフェやホテル、生活困窮者一時宿泊施設、その他支援団体の施設などを含む)
3,生活の本拠としての住所認定については、本人に居住の意思があり、生活困窮者自立支援法に基づく自立支援や生活保護法による保護などの各種福祉制度の活用により、宿泊場所等の確保が行われかつ生活再建や自立を目指すための支援がなされる場合には、居住期間の長さにかかわらずこれを行うことが可能であると考えられること。
などが記載されています。この取扱いにより、住民登録が進むことがかんがえられます。
行政書士である当事務所においても、住民登録に関する相談などをおこなっています。役所が苦手な方などはどうぞ。
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北原 伸介

情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。 taroimo1030@gmail.com (電話)080ー7172ー8669 (FAX)03-6850ー8573 お問合せは無料です。文書に関するものでしたらあらかじめFAXいただくとスムーズです。

Posted by 北原 伸介