ブログ)夏休み国立公文書館へ行って来た。
こんにちは、中野区行政書士の北原です。
先日、国立公文書館へ行ってきましたのでそのことを書きます。国立公文書館リンク
私は、普段、情報公開に関していろいろと調べています。情報公開制度自体に関しては、手引きやガイドライン、書籍などで調べることができます。
それに対して、「行政機関のどこの部局にどのような文書が存在するかどうか?」は簡単に調べることはできません。それらの情報を提供してくれるツールとし「行政文書ファイル管理簿」「文書保存期間表」などがあります。リンクは過去記事
文書保存期間表などは、どのような文書がファイルされているのか例示してありますので分かりやすいかと思います。それらの情報を利用して公開請求をすることになります。
私は普段、情報公開の方法を「謄写」とすることで事務をおこなってきました。行政文書のコピーを事務所に送ってもらう方法です。こうして、普段はコピーに目を通すばかりで実際に「原本」の行政文書を目にすることは、自分で作成した申請書くらいです。
そこで今回、実際に文書ファイルを手に取って閲覧することで何か分かることがあるのではないか?と考えて公文書館に足を運ぶことにしました。つまり、目的は「体験」して何かを感じることです。
夏休みということもあり、電車はすいています。私が利用する西武新宿線沼袋から公文書館のある竹橋駅までは40分ほどです。途中、高田馬場駅で下車し喫茶できる場所で少し仕事をすることにしました。そこでたまたま、私が経営している散髪屋のお客様がバイトに励んでいる姿を確認することができました。
私も学生時代にバイトをしていましたし、頑張っている姿に感銘を受けました。学業にアルバイトに大変でしょうが、青春ですね。
地下鉄に乗り込むと多くの観光客が目につきます。今年の夏はめっぽう暑いためなのか、観光客の中にはサッカーやバスケットボールなどのパンツを着ている方が多く目に留まります。
夏休みの子どもたちも、もちらほら乗っています。首筋にまく冷たいアイテムを身に着け、日焼けをした顔をタオルで拭いながら、防災のための漫画を読んでいた少年が印象深かったです。今年は酷暑ですね。
公文書館につくと、夏休みということもあるのか展示スペースには多くの人が来ていました。展示スペースは無料で展示を観ることができます。2階は閲覧室です、閲覧室の方は夏休みということもあるのか空いていました。
閲覧室にはPCがあり、そこで文書を検索して請求する運びです。国会図書館に似たような感じでPCが数台あり、閲覧席がいくつも用意されています。閲覧席には電源もあるのでPCの持込も想定されているようです。
閲覧室にはボールペンなどの簡単に消えないペン類の持込はできないことになっています。B5以上の不透明な鞄の持込もできないために、入口に透明のビニール鞄が用意されています。国会図書館みたいな感じです。
私は閲覧室で、文書を検索して請求しました。その後、7分くらいで文書が運ばれて着ました。カウンターで文書ファイルを受取って閲覧スペースへ。
行政文書ファイルそのものを閲覧することができるのは初めてなのでとても参考になりました。ファイルは、
作成した官僚の工夫により、とてもよくまとめられています。その作りに思わず「職人魂」を感じてしまいました。「文書が公開されすぎると官僚が文書を作らなくなる。そうすると官僚の文化である独自のファイル作成の技術がなくなってしまう。」このような意見を聞いた事があります。私は、文書は公開されるべきと考えていますそれは別として、閲覧した文書ファイルからは官僚の仕事に対する文化や意気込みを感じました。
今回閲覧した文書は「港湾雇用安定計画」に関する一まとまりのファイルです。一つの行政ファイル管理簿に200枚足らずがファイルされています。これらの情報をすべて謄写で公開請求したとして、4000円+(一件300円×5で1500円)と郵送費用がかかるので5500円ほどとなります。
開示請求は一回で欲しい情報が得られるるわけでもなく、数回に渡る請求が必要となることがあります。そのことに鑑みると上記のような費用はバカになりません。そうすると、必要な文書数枚を狙って請求をかけることになるのですが、裏返せば「費用による請求の委縮」に他なりません。
今回の原本の閲覧で感じたことがあります。知りたい情報を開示するとき、行政文書ファイルのなかの全ての文書が必要なわけではないのです。しかし、あるほうが政策決定の流れがよくわかるといことが分かりました。
例えば、重要人物との日程調整表などは、閲覧できなくとも政策決定の流れには関係ないのです。しかし、実際に閲覧してみると官僚がどれぐらい気を使っているかなどの空気を感じることができました。
文書は、意思が記されているものと定義されます。私は今まで文書の内容のみに着目して情報を得ようとしていましたが、外形から得られる情報も大切であることを体感しました。これは、おおきな進歩です。
情報公開においての閲覧は、来庁が必要なところが負担です。しかし、こんかいのような体験から積極的に閲覧による情報公開をおこなってみようと思います。
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北原 伸介
情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。
taroimo1030@gmail.com
(電話)080ー7172ー8669 (FAX)03-6850ー8573
お問合せは無料です。文書に関するものでしたらあらかじめFAXいただくとスムーズです。
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