google-site-verification=gTqqJPuTqfnTMhpfQRE3XQCdHfuNCJaErr-OFsmbkxk

(情報公開請求やってみた)中野区、情報公開請求費用取消決定について。

こんにちは、中野区行政書士の北原です。中野区に対して情報公開請求をおこないました。その報告となります。
 なお、この問題に関しては、「中野非公式リポート」という地域の方が書いているブログを読んでその情報により行いました。記事を読んで興味が沸いたので個人的に開示請求を行ったのです。この問題背景に関してはそちらのブログにかなり詳しく書いてあります。https://nakanocitizens.hatenablog.jp/entry/2022/02/01/150000
 なお、当事務所では、情報公開に関する事務をおこなっています。連名による請求なども事案によっては行っていますのでよろしくお願いいたします。

問題の所在

1、令和元年11月、ある法人が中野区に対して6000あまりの食品営業者に関係する情報公開を行った。

2,その結果、およそ170万円の開示請求手数料を請求されることになる。これは、当時の中野区では、他の区と異なり営業者単位で件数を数えていたためである。他の区では300円となるケースである(中野区の取扱は現在は改正されている)。なお、過去記事(情報公開請求)行政文書一件、件数について

3,令和2年1月、170万を請求された法人は上記2の請求に対して審査請求を行った。

4、令和3年8月、中野区は2の170万の取扱いを取消して効果を遡及して適用、法人に対する請求を300円とする決定を行った。

5,令和4年1月、上記4の300円とする取扱いに関して議会で説明がなされている(令和4年1月24日総務部総務課総務委員会資料)。「当該課では、保有する情報を可能な限り積極的に公開できるよう例外規定を準用して1件につき300円とする運用を令和3年3月1日から開始している。」

問題

私は、結論において170万の請求が300円となったことは住民の利益となり妥当であると考えています。それを踏まえても下記のことが問題となると感じました。

・議会でも追及されていました(令和3年10月7日中野区議会総務委員会(第3回定例会)が審査請求に合わせて取扱いを変更したように感じるので、その政策の決定過程が適正であるか?

・上記5の議会では「例外規定を準用して、、略」と説明されているが何が例外規定なのか疑問。「例外規定を準用する」に違和感がある。例外の規定を準用できるのか?といった部分。

・遡及適用により170万の債権を放棄する結果になります。その場合の判断過程はどのような対立利益を考慮して行われたのか?問題になると感じました。

開示請求の手続

どこに請求するか?

中野区での情報公開請求書の提出先は実施機関となっています。実施機関が不明な場合や請求先が複数の実施機関にまたがるような場合は総務部総務課文書情報公開係に提出することになっています。

今回は、上記のブログと議会に資料があるので請求対象機関は明白でした。すなわち、議会で説明した中野区総務部総務課と食品衛生関係を所管している中野区保健所生活衛生課です。議会に関する情報は議事録検索システムで検索できます。リンク(Ctrl+Fでサイト内検索「情報公開」)

生活衛生課には開示手数料の取扱を変更した起案文書があることが想像できます。また、複雑な法律の解釈が関わってくる場合には総務部に照会や申合せが行われる可能性が高いと考えて総務部総務課に対しても開示請求書を提出します。総務部総務課に関しては議会への報告も行われているので、想定問答や資料なども存在すると考えて請求を行いました。

この時点で件数を解釈してみます「相互に密接な関連性を有する複数の文書」を一件と考えると。「手数料の運用の変更に係る文書」と「総務部総務課が議会に説明する際に作成した文書」で2件と考えることになります。

2件の公開請求は請求書も2枚書く事が好ましいとされていますが、今回は別紙にまとめてそれぞれの実施機関に提出しました。

請求書の作成

開示請求書は総務部と保健所生活衛生課に提出する必要があります。したがって、2通作成しました。

文書の特定に必要な事項の記載欄には「別紙のとおり」と記載して別紙をつけることにしました。

請求書別紙(校閲前のもので校閲を加えて提出しました)

中野区情報公開請求書き方
 請求文言の作成については以下のことに気を付けました。
① 議会答弁の準備に使うための資料や法令に関する照会の回答には書籍の写しが添付される可能性があります。書籍の写しが添付されている場合には大量の枚数となってしまうので、排除しました。今回は使用されている書籍などの目星がつくので図書館で読めば十分と判断しました。 請求書の作成についての過去記事情報公開請求のコツ?文書の特定に関して
 文書の提出先は2つなので、各々に提出が必要なのですが「総務部総務課情報公開係」に提出してもらえばこちらで回付するとのことでしたので、総務部総務課情報公開係にまとめて郵送しました。切手代とあて名書きが省けます。
 開示の方法は閲覧を選びました。
理由としては夏休みに公文書館に行ったときに閲覧の良さに気が付いたからです。ブログ)夏休み国立公文書館へ行って来た。
 ちなみに中央省庁に対する情報公開では、請求書の開示の方法欄は記載しなくとも受付される取扱いです。中野区では開示の方法が必要的記載事項なのかどうか調べていません。

開示決定

条例で定められた原則の日程で開示決定が行われました。なお、以下の決定書の職員の氏名欄は、こちらの判断で隅消ししています。

総務課総務部への開示請求結果

全部不開示でした。保有、作成していないとのことです。

このことから以下の事が分かります。
① 議会への説明のために想定問答などは作成する習慣がないという可能性がある。
② 生活衛生課からの照会や相談について。
a その事実がなかった。bその事実はあったが文書を残さなかった
私が問題とする「遡及適用により170万の債権を放棄する結果になります。その場合の判断過程はどのような対立利益を考慮して行われたのか?」という疑問に関しては文書がないので分からないです。
 この点、地方自治体は公文書管理法の趣旨がおよぶところ(34条)国民の権利義務に関する文書は作成しなければならないとされています(公文書の管理に関する法律4条4号)。そうすると、本件に関する文書は作成しなければならないものです。その文書を保有していないということは、この点に関する問題点は考慮されなかったと考えることが自然です。このような判断課程になったことの原因として、改正前情報公開条例12条2項の定めが関係しているのかな?とも思います。
 なお、このような点に関する学説の状況として「行政判例百選1第6版」有斐閣2012年189頁(最判昭和63年6月17日、に関する論評)に書かれています。

生活衛生課への開示請求結果

以下の文書が開示されました。
「中野区区政情報の公開に関する条例第12条2項に規定する事務手数料の計算方法の運用について(2中健衛2129号)」
別添1 中野区区制情報の公開に関する条例12条抜粋(改正前)
別添2 中野区区政情報の公開に関する条例施行規則 第6条関係別表抜粋
別添3 情報公開制度の手引(第9次改訂版抜粋)
別添4 中野区オープンデータガイドライン
別添5 情報公開制度の手引(第10次改訂抜粋)
このブログでは、全ての文書を公開しておりません。すべての文書の閲覧をご希望の方は当事務所までご連絡ください。コピーを送ります(コピー代と手数料と封筒、切手代金がかかります)。
中野区情報公開決定書
本件開示文書
中野区令和3年情報生活衛生課情報公開手数料の変更の公文書
令和3年2月8日に起案が行われている事実が分かります。

令和3年8月、中野区は2の170万の取扱いを取消して効果を遡及して適用、法人に対する請求を300円とする決定を行ったので、起案の日と相当離れています。このことから、「審査請求に対する決定を行うために運用を改めたということは言えない」ということが間接的に推認できると考えます。

 手続きの観点からこの文章を見てみます。中野区の規定によると。

中野区保険所庶務規定

・所管は生活衛生課である(中野区保険所事務規程3条、以下事務規程)

・所に所長を置き、次長を置き、課長を置く。

・課長は別表1の課の事務を課の事務を行う(事務規程5条)。

・係長は課長の命を受けて事務をつかさどり、当該事務に従事する職員を監督する(事務規程6条)。

中野区事案決定規定

・事案の決定は区長から係長及び担当者も行うことができる(5条)。

・事案決定者は自己の責任を超える事案である場合には、上級の役職に決定を求めることができる(8条)。

この点、責任を超える事案でも決定できることができることが特徴である。また、責任が不明確になってしまうのではあるまいか?私見。

・事案の決定にあたっては、上位または下位の役職による審議を経るものとされている(9条)。

決定権者が部長となっています。また必要な審議が行われていますので手続きは適正に行われていることが分かります。

別添改正前条例12条関係
中野区区制情報の公開に関する条例12条改正前
改正前条例12条2項が開示されました。
同条では「許可等の申請又は届出ごとに1件とし、これによることが適当でない場合は実施機関の定めるところによる。」と規定されています。

令和4年1月、上記4の300円とする取扱いに関して議会で説明がなされています(令和4年1月24日総務部総務課総務委員会資料)。「当該課では、保有する情報を可能な限り積極的に公開するよう例外規定を準用して1件につき300円とする運用を令和3年3月1日から開始している」。とのこと。

これと改正前12条2項を突き合わせると、総務部では2項の「これによることが適当でない場合は、実施機関のさだめるところによる。」という部分を例外規定として解釈し、準用したとの説明になります。以下の疑問があります。

① 同条2項は、但書を使う書き方をしていません。したがって、例外規定と解釈することが合理的ではないと感じます。
 条例の書き方として例えば、「許認可等の申請又は届出ごとに1件とする。ただし、これによることが適当でない場合は実施機関の定めるところとする。」と書く事もできなくはないと思います。
 しかし、本条は接続詞を利用せず並列的に並べています。すなわち、改正前「これによることが適当でない場合は実施機関の定めるところによる。」はこの部分が例外規定ではないことを明確にするためにただし書きで書かなかった、と読む方が自然であると考えます。

例外規定であるかどうかは一件些細なことに感じるかもしれません。しかし、事務の運用に大きく関わってきます。例外である場合には例外であるかどうかに対しての上級機関による法律統制を行う必要があると考えます。これに対し例外でない場合には実施機関の裁量で運用を決めることになります。

② 「準用」と説明することが疑問
 (令和4年1月24日総務部総務課総務委員会資料)「当該課では、保有する情報を可能な限り積極的に公開するよう例外規定を準用して1件につき300円とする運用を令和3年3月1日から開始している」と説明されています。
 「準用する」とは、ある事項を規定しようとする場合に、それと本質の異なる(しかし、これと類似する)他の事項に関する規定を借りて来て、これに適当な修正を加えて当てはめて働かせる場合に用いる(石毛正純「法制執務詳解(2版)」(ぎょうせい、平成24年、引用)。と説明されています。
 今回は、開示手数料一件に関する事務の取扱ですので他の事項に関する規定を準用していると解釈できません。したがって、本件に関して「例外規定を準用する」と説明するのは無理があります。
 本件の説明には、単に「12条2項の規定により、実施機関の方で運用を変更しました。」と表現するほうが的を得ているように感じます。
 私が今回の開示請求をするきっかけとなったの大きな理由に「例外規定を準用する」との説明に疑問を持ったからです。文言の感覚的に「例外規定を類推する〇」準用?例外規定って準用できるものなのかな?と体感的に感じたからです。

まとめ

 今回の開示請求では、開示請求料の取扱の変更がどのように行われたかの過程を明らかにすることができました。これも、適切に公文書が作成されていることによるものです。残された問題としては、実施機関と総務部の連携関係がどのようになっているのか?円滑に行われているのか?などが考えられます。このあたりは、また時間をつくって調べようと思います。
 情報公開事務の手続も円滑でした。公開事務にあたってくれた職員の皆様には感謝します。また、地域の住民の方が区制情報をHPなどで書いて下さっていてとても充実しています。
 どこかの村の議員が言っていました「自治体の状況に納得いかないのであればそれは選挙に反映するのだから、自治体が勝手にやればいい」とのこと。極論としてそのような言い分もあり得ないわけではありません。
 けれども、議会と選挙ですべての問題をくみ上げることはできません。そこで、国政にしろ自治体にしろ「国民の積極的な政治参加」を推進しています。国民は参加する時代へ」昨今、このような時代であると痛感しております。
The following two tabs change content below.

北原 伸介

情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。 taroimo1030@gmail.com (電話)080ー7172ー8669 (FAX)03-6850ー8573 お問合せは無料です。文書に関するものでしたらあらかじめFAXいただくとスムーズです。