第3回美容師の養成のあり方に関する検討会議事録を読んで。
2022年1月13日より、美容師の養成のあり方に関する検討会が行われました。厚生労働省へのリンク
これは、美容師制度に関して厚生労働省が、「美容学校→国家資格取得をするための。①学生時代の現場のあり方②実技試験をはじめとする現行の仕組みについて評価するし、必要な改善策を検討するために設置された検討会です。
この検討会が設置される前に内閣府に設置された審議会である「第18回規制改革ワーキンググループ会議」で美容師制度の在り方が議論されていました。厚労省リンク
その会議の中で出された事項を、検討することを目的としているようです。
(内閣府規制改革ワーキンググループの議事録はこちらのページの投資等ワーキンググループ第18回のPDFで閲覧できます。)
美容師の養成のあり方に係る主な課題としては
① 実技試験のあり方のなかで、オールウェーブセッティングは実技試験として適切か?
②まつ毛エクステンションを実技科目に追加するかどうか。
③養成校在籍時の実習等についての検討。
が議論の中心となりましたが、それ以外の事柄も議論されています。
くわしくは、上記厚生労働省の議事録を第1回から順次読むことができます。
3回にわたる議論をもとに、令和4年3月30日厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課により「美容師要請の改善に関する当面の方針」がまとめられています。(最上部リンクページ内)
私が気になった情報としては以下の部分です。
- 実務研修においての美容行為は禁止されていると考えているサロンが多数あるということ。第1回17頁)実際は条件を満たせば禁止されておりません。このことは、美容学校で作成した実施計画に基づき、管理美容師なりの指導のもとに可能である。
- 美容学生がアルバイト等で美容行為に従事する場合、美容師法の改正が必要となる。というのが事務方の考えであるということ(第1回終盤)。
- サロンで働く人材が流動的になっており、サロンでの教育をしても退職してしまう現状がある→学校での実践的な教育が重要になるのでは?との意見。←美容学校でも努力しているものの、「実践的」の意味が各々のサロンで異なるので不可能に近い。
若干の感想
審議会などでは有識者が集まって議論をするのですが、審議会は政策に関して話し合う場です。
しかし、今回の審議会ではいわゆる「ロビー活動」を意識させるような発言もみられました。
このようなことは、審議会として「好ましいことではない」とされています。
昨今、内閣の機能が強化され内閣が主導で政策を推進する場面が増えました。内閣は民間の意見を取り入れるために有識者会議を設置することが多いです。
現場の意見を取り入れてくれるということです。私たちにとって、そのことは好ましいことです。しかし、一部の者のロビー活動に審議会の場が使われてしまっては国民にとってたまったものではありません。
ロビー活動だと判断されるような発言には注意が必要です。
それらを踏まえても、以下のような感想をもちました。
1,現状に対する理解
(ア)組合等の団体は労働力が欲しいということが優先で、離職状況などに対する努力は後回し。
(イ)美容学校は、職場の労働環境に疑問を抱いている。
2,改善策
(ア)学校と職場の間に、公益性を有する非営利な団体が入ることなど外部の手が必要なのでは。
(ウ)離職してしまった人材から、学校若しくは第三者委員会などに問題の状況を調査する機関が必要なのでは。
理美の仕事はとても良い仕事であることは間違いありません。業界全体のコンプライアンスが向上すれば、多くの従業員が良い時間を過ごすことができるのではないでしょうか。
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北原 伸介
情報公開請求や公文書の管理に関心が強い行政書士。
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