東京都で看板を出す前に注意すること
自営業でお店を営んでいる方が必ず直面するのが、看板問題です。
筆者はお店をオープンしたことがありますので、個人的な経験から言いますと、はじめてお店をオープンしたとき自分のお店の看板を出すときはドキドキしました。うれしい気持ちと恥ずかしいような気持ちがありました。この看板でお客様が来てくれるのかとか、悪い印象を与えないだろうかとか。
上記のようなわくわくとした感情もありましたが、同時にクレームが来ないか心配でもありました。
テナント仲介業者からは「周囲の方との関係性をよく保ってうまくやって下さいね。」なんて言われていた気がします。しかし、今考えると周囲の方との関係性とかではなく、その看板が正当なものであるのであれば、堂々と出して商売を行えばいいわけで、顔色を窺い過ぎて競争の自由を抑圧されることは、かえって競争政策上からみても好ましくありません。
また、実際に言いがかりを受けたり、クレームが来た場合にも正当なものであれば説明すれば良いだけの話なので対応的にも楽です。仮に看板を出すうえでのルールを甘くみてしまっていて、良く調べないで看板を購入したりしてしまうと大きな損失となることがありますので注意が必要です。
例えば、店舗用品や什器を提供している事業者は、それらと同時に置き看板などを展示している事がよくあります。オープン前ですから、わくわく感満載で大きな立て看板などをついつい買いたくなってしまいます。また、オープン間もないころはお客様から「目立つように大きな看板でもつければ?」なんて無責任な言葉を頂戴することもあるでしょう。しかし、東京都では道路上に置き看板を設置することは原則として禁止されています。するとどうでしょう、せっかく購入した置き看板が無駄になってしまいます。大きな看板は保管するにも場所をとりますし良い事がありません。
仮に、違法状態で営業するとして、良い事がありません。町の美観に対する住民の意識は時代とともに高くなっています。1990年ごろに比べると、町のはり紙などは随分と減少しました。地域住民のみなさまの団体による活動や行政機関の拡大などの努力によること、そして何よりも事業者さまの法律に対する意識の向上などにより美観は向上しております。また、条例やマナーに対する知識を有する層のお客様に対してマイナスの効果となってしまいます。そのようなお客様はご家族での利用なども多く、紹介を充分に見込めるお客様です。良いお店として基盤を強化するうえでは必要不可欠と考えます。
当事務所も行政機関に対する書面の提出を通じて、より効果的に処分、行政指導が行われるように通報サポート業務を行っています。お店などが許可なく、看板などで道路を使用している場合の通報
地域の店舗のみなさまも、地域のインフラです。不正な行為は行政機関の耳に入れて適法な状態での競争を保つ努力をすることは必要なことであると感じます
せっかくの置き看板が無駄になることは良くあります。東京都では看板を設置する前に相談をするように推奨されています。簡易な看板であれば、電話確認でも良いでしょう。ひと手間かけて調査してから看板を出すように心がけましょう。
東京都都市整備局
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/kenchiku/koukoku/kou_siori.htm
(筆者)各種通報や、行政処分、行政指導を求める書面の作成を中心とした業務を行う行政書士
北原伸介行政書士事務所
北原 伸介
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