東京都、出張美容を行うときの原則
こんにちは、美容師、行政書士の北原です。
東京都では出張理美容を行う際の一般的な原則をしめしています。以下抜粋します。
美容師法では原則として、理美容の施術は、保健所の確認を受けた理美容所でなければ行ってはいけません。
違反に対する処分等
・保健所の確認を受けずに店を営業すると30万円以下の罰金。(美容師法18条、12条)
・法令できていした特別な事情に当たらない者に対して、出張美容業務を行うと業務停止の処分を受けることがある。
・業務停止の処分に違反すると免許が取り消されることがある。
東京都では上記の例外として以下の特別な事情がある場合には、理容所・美容所以外の場所で業を行うことができるとされています。
- 疾病その他の理由により、理容所・美容所に来ることができない者に対して利用・美容を行う場合。
→ | 自宅から身体的理由で移動することが困難な場合や、常時、乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護をしており、家族の援助や行政棟によるサービスを利用することが困難で、かりに家族を残して理容所・美容所に言った場合、家族の安全性を確保することが困難な場合をいいます。ただし、単に高齢である、仕事や家事などで理容所・美容所に行く時間がない、面倒だからという理由で客の自宅で施術することはできません。 |
- 婚礼その他の儀式に酸れるする者に対してその儀式の直前に理容・美容を行う場合・
- 山間部等における理容所・美容所のない地域に住居するものに対して、その居住地で施術をお行う場合。
- 社会福祉施設等において、その入所者に対して施術を行う場合。→養護老人ホームや病院など、東京都規則で定める施設(詳しくは保健所にお問い合わせください)の入所者に対して、施術できる。
- 演劇に出演する者等に対して、出演等の直前に施術を行う場合。
上記の場合でも施術を行う衛生上の措置がある。
- 作業の際には、白色など汚れの目立ちやすい色の清潔な作業着を着用すること。
- 顔面作業の際は、マスクを使用してください。
- 首巻及びまくら当てに紙製品を用いる場合は、お客様一人ごとに廃棄すること。
- 消毒済のk具と見消毒の器具は、それぞれ別の容器にいれておくこと。
- お客様の皮膚に接しない器具も常に清潔にすること。
- 消毒薬は、随時取り替え、常に清潔なものを使用すること。
コメント
上記には書いてないものの、もちろん免許の取得者でなくては理美容業務を行うことはできません。業として行う理美容業務は独占業務です。
主張理美容業務に対する取り扱いは、個々の都道府県で異なる場合があります。他県の方は保健所に確認する必要があります。
実務的な話になりますが、施設などで出張業務を行う際には業務の内容を明確にしておくことが大切です。例えば、業務終了後の清掃はどこまで行うのか?何人くらい担当するのか?などを明確にしておかないと、現場の介護スタッフも困惑してしまいます。定期的な業務委託を受ける場合には契約書を作成するといいでしょう。単発で行う際もできれば書面にしておきたいところです。
理美容施術に関しては、施設などの利用者は入浴する前に散髪などを行うことが多いと思います。洗浄前の散髪となるために消毒は徹底して行うことが必要です。その点、持参する消毒液は「アルコール」は必需となると考えられます、ノロウイルス対策として次亜塩素酸ナトリウムを希釈したものも持ち合わせたいところです。マスクは必需と考えます。
技術的な話としては、高齢者で染髪前の散髪は難易度が高いです。寝ぐせや汚れなどで髪がぐちゃぐちゃです。また、皮膚が傷つきやすいので、耳周りのトリマー処理なんかも充分に気をつけなければなりません。そのため、十分に施術時間に余裕を持てることが必要です。
施設の利用者などは、何らかの理由により理美容室に来店することができなくとも、出張で髪を切り、こころがスッキリするばあいもあります。理美容師の仕事はいい仕事ですよね。
北原 伸介
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