東京都中野区の行政書士が車庫証明について自動車の確保等に関する法律に沿って解説する。
車庫証明は自動車の保管場所等に関する法律をもとにした、車を保管できる事を証明するものです。
その目的は、保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所としてしようしないよう義務付けるとともに、駐車に関する規制を強化することにより、道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを目的とするものです。(自動車の保管場所の確保等に関する法律1条)
自動車の保有者とは、自動車の所有者その他自動車を使用する権利を有する者で、自己のために自動車を運行の用に供するものをいいます。(自動車損害賠償保障法2条3項)
保有者は、道路の使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることとの目的を達成するために、道路上の場所以外の場所において、当該自動車の保管場所を確保しなければなりません(自動車の保管場所の確保等に関する法律3条)
そして、自動車の新規、移転、変更登録を行うとき添付することが求められる書類なのです。(自動車の保管場所の確保等に関する法律4条)ちなみに移転の場合には、使用の本拠の位置の変更を伴うときに限ります。(同条ただし)
それに対して、軽自動車の場合には、車庫証明は登録を受けるための必要書類とはされていません、しかし、登録後に「自動車の保管場所の届出」が必要となることに注意が必要です。(自動車の保管場所の確保等に関する法律4条)
ここまでをみてみると、車庫証明は 道路使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることを達成する手段であるという事ができます。
車庫証明をしたが、自動車の保管場所を確保されていないと認められてしまうと、公安委員会は、保管場所を確保の確認がとれるまで、その車を運行の用に供してはならない旨命ずることができます。(自動車の保管場所の確保等に関する法律9条)そして、その命令に違反すると3カ月以下の懲役又は20万円以下の罰金となる場合があります。(同17条一項)
また、自動車の保管場所の確保に関する法律11条では保管場所としての道路の使用の禁止等をさだめており、 道路の使用の適正化、道路における危険の防止及び道路交通の円滑化を図ることとの目的を達成しようとします。同条は罰則付きです。(17条1項2号)
ここからは余談ですが、自動車に対する規制は年々きびしくなってますよね。筆者は昭和57年生まれなのですが、国道に面したラーメン屋の前に路上駐車が多くて、それが当たり前の時代でありました。近年は東京ではコインパーキングが増えて車をとめられる場所も増えたことや昔はいなかった駐車監視員さんなんかが厳しく見張っていることもあり、多くは見なくなった気がします。
規制が厳しくなって、街並みは綺麗に整頓されています。それはとても良い事でありますが私たちの自由が少し窮屈になっていることにも注意をしなければなりません。
しかしながら、車は危険でありますし、より強い規制も受入れなければならない側面もあるのはたしかです。そのことから言えば車庫証明は必要な制度に違いありません。
東京都中野区 北原伸介行政書士事務所 中野区、杉並区の車庫証明
北原 伸介
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