理美容師免許等への旧姓併記に関して。
こんにちは、美容師、行政書士の北原です。美容師免許等に関する旧姓の併記について以下、説明します。
根拠
(令和2年12月8日)(生食発1208第1号)(各都道府県知事・各保健所設置市市長・各特別区区長あて厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知)によると、「女性活躍加速のための重点方針2016」において、旧姓の通称としての使用拡大に向けて、必要な取組を進めることとされています。その、取組の一環で令和3年4月1日から施行されています。
なお、上記通達は地方自治法第245条の4第1項に基づく、事務機関に対する助言であると明記されています。ですので、事務機関を拘束するものではありません。しかし、事務機関が行う、おおまかな手続きは通達にしたがった手続きとなると考えます。
改正の内容
美容師法施行規則第1条、第3条2項、第5条2項及び第6条第2項の規定に基づく様式第1,様式第2及び様式第4について、免許証に旧姓等を記載することを可能とする措置を講ずるものであること。
運用上の留意事項等
免許書等の氏名に旧姓の壁を希望する者については、申請書等に記入されている旧姓が戸籍謄本、戸籍抄本又は旧姓が併記されている住民票の写しに記載されている旧姓と合致することを確認すること。
つまり、申請書類に旧姓が併記されている公的証明書を添付するということです。
免許申請の手続きは公益財団法人理美容師試験研修センターで取り扱っています。リンク
なお、旧姓が併記された住民票とは、旧姓を併記する手続きを経た上での住民票です。旧姓が併記されるとマイナンバーカードや、公的個人認証サービスにも旧姓が併記されるようになります。手続きとしては、旧氏が記載された戸籍謄本等を用意して、現在お住いの市区町村において請求手続きを行います。マイナンバーカードがある方はマイナンバーカードも持参します。
氏が変わった場合に、手続きがいらないわけではない。
旧姓の「併記」が可能となっただけなので、氏が変わった場合に美容師免許等の変更の手続きがいらなくなったわけではありません。あくまでも、旧姓を「併記」できるという取扱いです。この点情報が錯綜しているように感じますので注意が必要と感じます。
これは、氏は、個人の呼称としての意義があり、名とあいまって社会的に個人を他人から識別し特定する機能であることからきていると思います。(最判平成27年12月16日参照)。現在の日本のとる、戸籍制度では氏と名で個人を特定する機能があるために、旧姓は併記にとどめられていると解することができると考えます。
それでは、なぜ、旧姓を併記できるようにしたのでしょうか。これは、社会において旧姓を使用しながら活動する女性が増加している中、様々な活動の場面で旧姓を使用しやすくなるためであると説明されています。美容師免許に旧姓が併記されるようになると、公証することができるようになるために、旧氏を契約など様々な場面で活用できることや、職場や就職のときの身分証明に資することになるためだと考えられます。(総務省HP、住民票マイナンバーカード等への旧氏の併記について、参照)
美容室経営資料、法務関係(作成途中)
北原 伸介
最新記事 by 北原 伸介 (全て見る)
- 個人情報保護法ガイドライン(行政機関)を読む。 - 2024年11月13日
- (書籍紹介)松井茂記『情報公開法』有斐閣、2001年 - 2024年5月30日
- (情報公開やってみた)環境省役人用語集 - 2024年5月28日