(情報公開請求)存否応答拒否について。
目次
存否応答拒否とは
特定人の個人情報の開示となっていしまう場合。
自分の情報を公開請求しようとする場合。
特定法人等の不利益に係る情報
行政機関による調査や行政指導が入った場合に作成される文書は、存否応答拒否とされる可能性があります。調査が入ったことが公表されると風評被害を受ける可能性や取引先からの信用が低下するおそれがあるからです。
例えば、「A会社の下請法違反の申告に係る調査の内容及びその詳細な結果を確認できる文書」が公開請求されましたが存否応答拒否がなされました。平成24年(行情)答申280号
しかし、このような情報も公表されている事実や習慣があれば公開されます。
国の安全等に係る情報
文書の存否が公になると国の安全等が害されるおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由のある情報は存否応答拒否がなされます。
例としては、「北朝鮮のミサイル基地攻撃に関する研究に係る文書」を公開請求した事例があります。平成20年(行情)答申421
その他
その他にも、存否を明らかにするだけで不開示情報に該当するような場合には存否応答拒否がなされます。不開示情報に関しては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条に定められています。例としては、公共の安全等情報、審議・検討に支障のあるおそれのある情報、事務事業が適正に行えなくなるおそれのある情報があります。情報公開請求、不開示情報について
それらの情報も、公表されていたものや公表されることが予定されている文書は公開されることに留意する必要があります。
文書番号による特定では、存否応答拒否処分がなされない場合がある。
令和5年独情答申82号にの情報公開事件は、特定の個人の氏名を明示し、当該個人が懲戒処分を受けたことを前提とする文書です。
そのような、情報が公表されると、懲戒処分があったかどうかが明らかになってしまうので、処分庁は存否応答拒否処分をしました。
審査請求人の本件対象文書の記載は「特定日付け特定文書番号「審査請求に対する決定通知書」の(特定番号A)から(特定番号B)の各法人文書」との記載でした。
審査会の判断は「このような開示請求においては、特定文書が発出された事実の有無が明らかになるだけ。」と判断し、本件対象文書の存否を明らかにして改めて開示決定をすべきであると判断しました。
上記のように、文書番号などで文書を特定することができれば、存否応答拒否処分を回避できる可能性があることが分かります。
東京都では存否応答拒否一覧が公開されています。
東京都の情報公開の窓では存否応答拒否の一覧が公開されています。リンクの検索窓に「存否応答拒否一覧」と入力し検索すると出てきます。https://www.johokokai.metro.tokyo.lg.jp/
当事務所の紹介
東京都、中野区にある北原伸介行政書士事務所では、情報公開請求に関する相談や代理、代行手続きをおこなっております。よろしくお願いします。
北原 伸介
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